「横浜に小児ホスピスを」 候補地に金沢区も
難病の子どもが残された時間を家族と共に過ごせる「子どもホスピス※」を横浜に作りたい――。6歳の娘を脳腫瘍で失った一人の父親の夢が、金沢区で実現に向け動き出した。
娘からの使命
父親の名は田川尚登さん(57)。1997年、脳腫瘍を患った次女=写真上=に「あと半年」という余命宣告が下された。残された時間で家族ができることは何か。自問する中で、難病の子どもが終末期に家族らと一緒に充実した時を過ごすことができる「子どもホスピス」設立の夢が芽生えた。「娘から与えられた使命だと感じた」と振り返る。
その後、田川さんはNPO法人スマイルオブキッズを立ち上げ08年、難病の子どもの患者家族が滞在できる施設「リラのいえ」を開設。ホスピス設立資金の約3億円のめどは立たないままだったが、13年、元看護師の女性から代理人を通して、遺産など計1億500万円の寄付を受けたことが転機となった。
昨年8月、同法人理事と支援者である医師や福祉施設運営者、会社経営者らで「横浜小児ホスピス設立準備委員会」を発足した。現在、実現に向け、場所の選定や施設の図面を準備。コンサートやイベントなどで建設資金や運営資金を調達することを企画している。多くの賛同者と支援者を集め、あと2年で資金を貯めたいとしている。寄付や問い合わせは田川さん(090・1432・7694)。
その候補地の一つに挙げられているのが金沢区だ。田川さんは「動物園や水族館があり、自然豊かな地域。横浜市内ではベストなのでは」と意欲をしめす。準備委員会には区内医師会会長の池川明氏や助産師の山本詩子氏も名を連ねる。
1月23日にコンサート
同準備委員会は1月23日(金)、世界的なピアニスト関孝弘さんのチャリティーコンサートを開催する。神奈川県立音楽堂(西区/桜木町駅徒歩10分)で、午後7時開演。入場料は前売り券5千円、当日券5500円(チケットぴあで販売/Pコード249・291)。収益金はすべてホスピス設立基金に充てられる。
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