区内の名木古木【1】 香りを楽しむ東光禅寺の「ウメ」 日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(富岡西在住)
2011年7月から13年7月まで本紙で連載した「かなざわ草花の詩」が復活しました。区内の名木や四季折々の草花等を、金子さんが雑学を交えて紹介してくれます。
横浜市では、30年ほど前から名木・古木保存事業を実施してきました。街の象徴としてその美観を維持してきた樹木を指定、2011年には979本(金沢区内86本)、8集団(生垣)あります。種類としてはケヤキが最も多く、176本です。
区内の名木古木のウメは、東光禅寺と龍華寺と旧円通寺(瀬戸)の3か所が指定を受けています。
ウメは冬の寒風に耐えながら蕾をつけ、早春他の花が咲く前より、清楚な花を咲かせます。そのため昔から生命力を象徴する縁起物として、また、「母なる木」と書くので子孫繁栄を表しており、めでたい時に飾られます。
古い時代、薬用として利用していた中国から日本へウメの文化とともに入ってきました。日本では薬用としてよりも、食用や観賞用としての役目が強く、現在まで続いています。
日本では「梅に鶯」と親しまれていますが、中国では「柳に鶯」と詩文に詠まれています。実際にはウグイスが訪れることは稀で、普通メジロが多いので、ウグイスに見間違えたとも考えられます。
また、梅林に紅白のウメが混在することが多いのは、同一品種の交配は結実しにくいために、多様な品種を一か所に集めて、実の収穫を図っているのです。
皆様も観梅の折には、香り、品種の違い、訪れる鳥や昆虫等にも留意して楽しんでください。
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