2月7日に贈呈式が行われたキララ賞(かながわ若者生き活き大賞)を受賞した 佐野 真吾さん 金沢町在住 27歳
「出会いたいから守りたい」
○…湿地の復元や外来種の駆除、小学校での出前授業――。生き物を守るための活動を幅広く行ってきた。その功績が認められ、生活クラブ生活協同組合が主催するキララ賞を受賞した。出身校である朝比奈小では、2年ほど前からホタル池の保全に尽力。地域と子どもたちに溶け込んだ、持続可能な活動に精力的に取り組む。「個人の活動だけでなく、守る仲間を増やすことも保全活動の一つ」と目を輝かせる。
○…小学2年の時、生命の星・地球博物館(小田原市)にあった説明板に衝撃を受けた。「神奈川県内でゲンゴロウは絶滅種」――。「本当かな?」と探し始め、ゲンゴロウにのめりこんだ。そして翌年、偶然にも福島県で発見。「同時期に探し始めたタガメは6年くらいかかった」と笑う。その時は手が震えるほどの感動を味わったという。変わらず持ち続けているのは「ゲンゴロウを県内に復活させたい」という思いだ。生き物との出会いが、自然環境を守る最大の動機になる。
○…「ふるさと侍従川と親しむ会」の副代表を務める。幽霊会員だった小学時代、ゲンゴロウの作文が山田陽治代表の目にとまり、スカウトされた。「外の世界を見せてくれた。自然環境活動をしている人と知り合えたのは会のおかげ」。今は活動仲間として、認めてくれているのが嬉しいという。「会は自分の市民活動の原点。今後も積極的に関わっていきたい」と話す。
○…小学校の卒業文集で書いた将来の夢は「絶滅危惧種を守ること」。大学院生となった今、横浜市内の水生昆虫のレッドデータを作成しようと、田んぼや遊水地、公園の池の中を探して回る。その数、半年間で250カ所以上。「好きなことなので、全然辛くない」。データにすることが、生き物を守るきっかけになればと願う。私生活では昨年6月に結婚したばかり。「子どもが出来たら一緒に侍従川に行きたいですね」とほほ笑んだ。
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