横浜高校2年の石上優大選手が3月22日、熊本県で行われた全国高等学校選抜自転車競技大会の個人ロードレースで王座に輝いた。80・5Kmのコースを177人で競った同大会。石上選手は2時間6分14・2秒でゴールした。
「3週目から、勝てるなという確信があった」。177人が参加した7周のレース。得意の上りで毎周ペースアップを仕掛け、後続選手の足をけずった。ラスト1周で先頭は石上選手を含めた3人に。「切れたり追いついたり。いつでも踏めば振り切れる状態だった」。ゴール手前で逃げ切り、初優勝を飾った。
初出場した昨年は9位。「今年は独走でゴールを目指していた。あとひと踏みが足りなかった」と悔しさを滲ませる。コースが思い描けていた分、優勝だけでは満足していない。だが「どうしても勝ちたかったので達成感はある」とも話す。
悔しさが原動力に
2月にタイで行われたアジア選手権に日本代表として出場した。「99%勝てた大会だった」と振り返る。だが、逃げる石上選手を日本チームの集団が吸収するという1%のアクシデントが起きた。結果、日本選手の優勝で幕を閉じたが心にわだかまりが残るレースに。「力があれば味方にも捕まることなく済んだ。世界で戦うにはここで追いつかれていては先はない」ときっぱりいう。
悔しい気持ちが原動力になった。帰国後は「頭が冴えて研ぎ澄まされている状態。同じ練習でもタイムが良くなり、追い込めた」。トレーニングで得たものをより早く、より正確に吸収し全国に臨めたという。
世界見据え前へ
5歳でマウンテンバイクに乗り始め、その年に一般の大会で優勝。小学1年から全国でも1位2位を争う実力で、素質を磨いた。
同校自転車競技部ではチームの精神的柱だ。海外で試合を終えた翌日に、部の練習に合流することも。「強くなってほしい」。その思いからポイントや練習での効果を伝えるが、一番は「ついて来させること」。練習を見て体得させることで精神面はもちろん、技術面もリードする。
これまで出場したレースはゆうに500を超える。同じコースでも風の読み方、仕掛けどころなど計算で全く違うレースになる。「簡単には勝てないから面白い。レースは経験です」
今年9月に控える世界選手権での優勝を目指す。そのためスキルの全体的なレベルアップを目標に鍛錬を積む。「夢はツール・ド・フランスでの優勝」。世界を見据え、ペダルを踏む。
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