和歌山県などで10月6日まで開催された「第70回 国民体育大会」の空手部門で、横浜創学館高校の伊勢野大介選手(3年)が初優勝を成し遂げた。3歳から空手を始め、これまで全国行きを掴むも2位止まり。高校生活の集大成となる大舞台で、夢の「日本一」を手にした。
出場したのは主に高校生を対象とし、都道府県代表47人が集った組手個人・少年男子。試合時間2分の中で打撃や蹴りを応酬し、その獲得ポイントを競った。
昨年のベスト8を超える、全国の頂点を目指して臨んだ国体。初戦から決勝戦まで6試合を戦い、合計27ポイントを奪う一方で、対戦相手に献上したのは1ポイントのみ。「圧勝」とも言える戦いぶりを見せた。
栄冠を手繰り寄せたのが、高いディフェンス力。相手の攻撃の間合いを見極め、決定打を与えなかった。特に開催地・和歌山代表と相対した決勝は、アウェーの雰囲気に動揺することなく、冷静かつ安定した試合運びで3対0と勝利した。
強敵から学ぶ
兄の影響で3歳から空手を始め、藤沢市の道場で腕を磨いた。昨年からは2年連続で日本代表に選ばれるほどだが、中学時代は「県レベル」。初めて全国に挑んだ中学3年では、レベルの違いに圧倒された。
「急成長」を見せたのは同校へ進学後。「強くなるためなら、自分のプライドなんて関係ない。見栄を張るような余裕なんてなかった」。県屈指の強豪校に集まるのはレベルの高い仲間。同校のほか、他校の強豪選手からアドバイスを貰った。
「応援に感謝」
1、2年の全国高校空手道選抜大会では2年連続で準優勝。優勝を僅差で逃してきただけに、国体にかける想いは人一倍強かった。「15年間空手に取り組んできて初の日本一。最高の一言」と満面の笑顔を見せる。
日本一に押し上げた力の一つは、兄や両親、同じ県代表の仲間からもらった声援。「多くの人に支えられたから優勝できた」。応援に感謝を寄せる。
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