金沢文庫駅西口にビール醸造所の「南横浜ビール研究所」(釜利谷東3の1の4)が誕生した。3月18日、念願の発泡酒製造免許を取得。20日には初仕込みを行った。2階には出来立てのクラフトビールが飲めるバーを併設し、4月上旬にオープンする予定だ。
醸造所オーナーの高橋慎太郎さん(47)は金沢文庫駅東口で10年以上、焼き鳥店を営んできた。「1年前はリヤカーを作っていた」と笑う醸造責任者の荒井昭一さん(47)は高橋さんの金沢高校時代の同級生。当時は親交がなかったが、焼き鳥店にしばしば足を運ぶようになっていたという。
そんな折、荒井さんの勤めていた金属加工会社が廃業することに。かねてからビールを作りたいと思っていた高橋さんは好機とばかりに、声をかけた。「この男ならうまくやれると感じていた」と高橋さん。荒井さんも「再就職の選択肢もあった。でも地元に根をはって店を経営している姿を見ていたので、一緒にやれば地域に愛されるビールが作れると思った」と振り返る。
現在、地ビールを製造しているのは全国で約220社のみ。酒造免許を取るための条件は「技術的に作れることを証明できること」「設備が整っていること」「最低酒造量を販売できること」の3つ。高橋さんは「一番のハードルは醸造技術を学ぶ場がないこと」と話す。他のブルワリーには「始めるまでには3年はかかる」と言われたことも。だが、醸造研修を請け負う「羽田ブルワリー」(東京都大田区)に出会い、話は一気に具体化する。荒井さんは昨年8月から8カ月間、同ブルワリーでビール作りを習得。「ビール作りの8割は掃除」と衛生面を徹底的に仕込まれ、試作を繰り返した。
理想の味求めて
2人が目指すビールは”ホップの華やかな香りが楽しめるタイプ”。荒井さんは「ビールは調理よりも設計。酵母・麦芽・ホップの配合や投入するタイミングが味を決める」と話す。互いの味覚に信頼を持っている2人。「2人が美味しいと思えば絶対美味しいはず。地元の人が自慢できるビールを作りたい」と意欲を燃やす。
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