現在、日本の三段跳び女子選手の中でランキング1位に位置する宮坂楓選手(23)。昨年12月、ニッパツ(日本発条)に就職し、社会人として初めてのオンシーズンを迎えた。
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宮坂選手は1年前、横浜国立大学を卒業した。競技を続けることを決意し、就職はせずに母校で練習を重ねてきた。当時の心境を、「みんなが応援してくれた学生時代と違い、試合会場にいるのは監督と両親くらい。モチベーションを保つのが大変だった」と振り返る。それでも、昨年7月には13m27と自己ベストを更新。不安定な状況の中、ひたすらに記録と向き合ってきた。
そんな中、日本オリンピック委員会(JOC)が推進するトップアスリートの就職支援ナビゲーション「アスナビ」が実施され、縁あってニッパツに採用された。「当社としても初めてのこと。彼女の活躍が従業員のモチベーションや一体感につながる。相乗効果が生まれれば」と期待を込めるのは、直属の上司・村田雅弘さん。「パソコンのスキルはあるし、一緒に働く姿勢が見える。とにかく明るいのがいい」と話す。
会社の応援を力に
宮坂選手は「自分がきちんとできているか自信がないんです」と社会人1年目のとまどいを話す一方、生活面の安定と会社の同僚の応援に「自然に力が湧いてくる感じ」と笑顔を見せる。
シーズンはまだ始まったばかりだが、「今までの春先に比べ、良い調子」。昨年夏から週1回取り組んできた体幹トレーニングが功を奏してきた。「空中でバランスが崩れても、ちゃんと踏み切れるようになった」と宮坂選手。スピードを殺さず、ブレーキのない跳躍が可能に。筋肉への負担が減り、ケガも減ったという。
まずは6月に行われる日本選手権に照準を合わせ、優勝を目指す。その先に見据えるのは日本記録(14m04)の更新、そしてオリンピック標準記録(14m15)のクリアだ。「応援してくれる皆さんのためにも、2020年に行われる東京オリンピックの出場を目指していきたい」とまっすぐに前を見据えた。
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