物語でめぐる金沢 『廻国雑記 旅と歌』 栗原仲道編 (名著出版)文・協力/金沢図書館
室町後期、聖護院門跡の道興准后(どうこうじゅごう)が著した紀行歌文集「廻国雑記」は、当時の東国の様子が描かれた重要史料です。金沢八景や称名寺の記述もあります。『群書類従第18輯』に収録されているのですが、金沢図書館にはありません(横浜市の他の図書館から取り寄せは可能です)。
その代りに、「廻国雑記」の内容を紹介、解説する『廻国雑記 旅と歌』を所蔵しています。編者の栗原仲道氏は歴史関係の書籍を多数執筆されている方です。
『廻国雑記 旅と歌』での金沢の記述は109頁から。鎌倉の諸寺を巡った後、道興は金沢に向かい、能見堂から金沢八景を眺め、称名寺を訪ねます。そして、称名寺三重塔で出会った老僧の厚意により、秘宝「楊貴妃の玉簾」を特別に拝観する事が出来たそうです。
これが本当に楊貴妃の所有物であったかはともかく、当時は珍しいガラスを使った工芸品でした。今では国指定重要文化財として県立金沢文庫に保管されています(称名寺所蔵)。2015年に一般公開されたので、ご覧になった方も多いのではないでしょうか。
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