物語でめぐる金沢 『心なごむ春の景』『秋の野の花』 太田治子著 (『空の上のお星さま』所収 清流出版)文・協力/金沢図書館
著者の太田治子さんは以前金沢区にお住まいでした。最寄りの駅から二つ目が金沢八景だったといいます。エッセイ集『空の上のお星さま』には、金沢区が登場する作品が収められています。
「心なごむ春の景」――鎌倉駅からの帰り、バスで金沢八景駅に着きホームに立ったところ、眼の前に茅葺の屋根が見えました。太田さんは春の日差しの中で見たこの建物が「元気な坊やの顔」のように見えたといい、洋画家・浅井忠の作品『春畝』の農村風景を思い起こします。
この茅葺の建物は、元は円通寺の客殿だったもので、現在は「金沢八景西公園」の一部として、解体・再建・保存活用計画が進行中です。
「秋の野の花」――太田さんの娘、万里子さんは「赤まんま」の花がお好き。金沢区のマンションに越してきてから「赤まんま」をよく見つけるようになったそうです。
「赤まんま」から思うのは、娘さんが生まれて初めてしゃべった言葉、「マンマ」。母親の「ママ」なのか食事の「まんま」なのかはわからないものの、「私はその声にうっとりした」と回想されています。
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