季節の花㉙ 伝説が多い「パンジー」 天使が3回キスして3色に 日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(富岡西在住)
いよいよ最終回になりましたので、最後は「ラブラブの花」で飾りたいと思い、園芸種の「パンジー」を選びました。
原種は「サンシキスミレ」といい、ヨーロッパに広く分布しており、下弁は黄色、側弁は白色、上弁は紫色の三色からなる小さな花です。1830年代に突然変異から生じた様々の花の模様から、北欧やイギリスを中心とした国々で改良し、原種より大型で様々な模様の品種が多く生まれました。下弁の模様を「思案する人」の顔に見立てられ、フランス語の「パンセ」(思索)から「パンジー」と呼ばれるようになりました。
また、左右の花弁が「キス」をしているように見えるため、西洋の言い伝えによると、「天使が3回キスしたことからこのように3色になった」といわれ、別名「ラブグラス」(恋の草)とも呼ばれています。
さらに西洋の伝説には、「パンジーの汁を眠っている人の瞼につけると、目がさめた時最初に見た人に恋をしてしまう」とあります。シェイクスピアはこの話を「真夏の世の夢」に取り入れ、森の妖精がパンジーの汁を、間違えてつけてしまい、恋の組み合わせがとんでもない方向へ展開してしまうという筋書きです。
読者の皆様方の暖かいご声援をいただき、心から感謝申し上げます。機会がありましたら、また紙上でお会いできることを楽しみにしています。
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