「まずは10年続けよう」――。被災地から購入したサンマを焼いて無料で配る”愛と勇気とさんま”の活動は、目標の折り返し地点まできた。「継続は力なり」と話すのは代表の柴岡義幸さん=写真右。「できることは、食べてもらって被災地を応援すること。忘れさせないことが今の使命」
発災2週間後には宮城県にいた。南部市場の有志で募った物資を届けたのは、つながりのあった女川の漁港。漁を再開しても風評被害で魚が売れない現状を知った。「経済を回すために買い、風化させないために食べてもらう仕組みが必要」。名産を使ったサンマ焼きが始まった。
活動は広がりを見せ、現在は市内を中心に年間100カ所以上をめぐる。焼いたサンマは昨年までで25万匹。一括してサンマを購入して保存する荷受け、運搬で協力する運送業者、運営を手伝うボランティア……つながりが活動を支える。「いい仲間がいるからね」。募金でサンマの仕入れはまかなうが、それでも「とんとん」。だが初期メンバー11人から「やめたい」の言葉を聞いたことはない。対面式のサンマ焼きは、訪れた人々と支援の思いを共有する良い機会にもなる。「東北出身者も『もらうだけは嫌』と来てくれる」
一昨年から区の商店街連合会に加盟。次は市民に経験を語り継ぎ、地域課題解決のヒントになればと願う。
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