物語でめぐるわが街 『金澤八景』 田山花袋著(『東京近郊一日の行楽』博文館所収)文・協力/金沢図書館
自然主義文学を代表する作家であり、大町桂月らと共に紀行文家とも呼ばれた田山花袋が、大正12年当時、東京から日帰りまたは1〜2泊で旅行できる行楽地の案内書の中で「金澤八景」を紹介しています。
花袋は、金沢は昔はもっと入り江が深く入り込み折れ曲がった形が面白かったろうが、埋め立てのため水が引き、横須賀が軍港になって水雷(海軍水雷学校)が置かれ、魚類も少なくなり、「衰へた」と嘆きます。称名寺、金沢文庫の址は「見るべきもの」とされ、東屋、千代本は静かに一夜泊まって見たいところだと褒めています。
また、杉田の梅を見物した後、金沢に立ち寄り、千代本で食事をして朝比奈切通しを鎌倉へ抜けるルートを提案し、一日の行楽としては面白いであろうと推薦しています。
*貴重書扱いですので貸出、複写はできません。国会図書館の「近代デジタルコレクション」でWEB公開していますので、インターネットで閲覧可能です。なお近年出版された復刻版(社会思想社)は元版の抄録であり、「金澤八景」は割愛されていますので、ご注意ください。
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