横浜市立大学木原生物学研究所(戸塚区)で栽培された大麦を使用したクラフトビール「KORN(コルン)MUTTER(ムッター)麦畑の精霊」が、5月に販売された。使用しているのは、同研究所が育てた「ミカモゴールデン」という品種の大麦。クラフトビール製造会社のサンクトガーレン有限会社(厚木市)で製造された。
地域と交流しながらビールをつくることで、麦の魅力や大学の魅力を発信しようと始まったこのプロジェクト。かつて横浜は「相州小麦」の産地として栄えていたという歴史的な背景もふまえ、「横浜産の麦の復活」も狙っている。
ビールの名称は、ドイツの民間信仰に由来した。現地では精霊コルンムッター(麦の母)が、受粉を助ける風を送るといわれているという。そんな不思議な力を感じさせる「麦」の魅力を熱く語るのが、ビール造りに携わった同研究所の坂(ばん)智広教授。「四大文明が生まれた背景にも、小麦の力が大きかった」と坂教授。小麦の栽培のために灌漑技術が発展し、さらに小麦の交換によって社会のルールや価値の概念、文字の発明にもつながったという。「このビールを飲みながら、麦の歴史や可能性に思いを馳せてほしい」と話した。
八景サンクスで販売
このビールを県内で唯一、店舗置きで販売しているのが、金沢八景駅近くのサークルKサンクス金沢八景駅前店(瀬戸)だ。もともと”酒屋化計画”を掲げるほど、クラフトビールの販売に力をいれていた同店。「八景近隣に横浜市大がある縁で、販売することになった。いい化学変化が起こるのでは」と話す。クラフトビールでありながら、クセは少なめで幅広い層が楽しめるビールだとも。「おいしいと思ったから置いている。ぜひ試してみて」
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