第4回 シダレヤナギ 金子さんの草花の不思議発見 枝垂れた葉は裏表が逆になる 文・日本自然保護協会自然観察指導員 金子昇(富岡西在住)
一般に植物の葉は、表面は上向きで、光を受ける面をいい、濃緑色で、光沢があります。一方裏面は、緑色が薄く光沢もありません。葉は光を受けて光合成をし、栄養分を作り出しています。葉の組織も表面の方が、光合成をするのに有利になっており、また空気の出入り口は、光を避けて裏面に多くあります。
「シダレヤナギ」は、ホルモンの関係で枝先が下垂(地面の方向)しますが、よく見ると下垂した枝につく葉は、どれもなぜか葉柄の部分から反転しているのがわかります。普通の葉は、下向(下垂)きにすると、本来の裏面が上(光が来る方向)を向いてしまいます=写真左下。光合成を有利にするには、下垂した葉も本来の表面が上を向く必要があるため、反転させています。まさに植物の驚くべき戦略の一つです。
シダレヤナギは、中国原産で雌雄異株、日本へは雄株のみが入ってきました。雄株の方は枝垂れる長さが3〜5mで、美しい樹形をしており、雌株は1mほどしかありません。挿し木で簡単に増やせるので、今では全国的にほとんど雄株になりました。
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