第7回かなしん自費出版大賞(主催/神奈川新聞社)の表彰式が11月12日に行われ、金沢区片吹在住の堀切綾子さん(76)の「もねかの木 堀切綾子エッセイ集」=写真右=が大賞を受賞した。また、同著は第7回ふるさと自費出版大賞(主催/全国新聞社出版協議会)でも優秀賞に輝いた。
「かなしん自費出版大賞」は、地域文化の振興と自費出版の推進を目的に、2005年から2年に一度、行われている。今回は15年4月から17年3月までに神奈川新聞社で制作・出版された書籍40点が対象。
堀切さんは「(大賞は)書きたいものを書きたいように書いただけなので、びっくり」と受賞の喜びをひかえめに話す。15年に出版された同著には、家族や故郷、幼少の思い出などを、瑞々しい感性で表現したエッセイ28編が収録されている。自費出版ながら社内審査を通り、全国の書店で流通・販売。「本当にいろいろな方が読んでくれた」。各地から届く読者の手紙で、その広がりを実感する。現在、本の購入は同新聞社(【電話】045・227・0850)で受け付けている。
子どもに伝えたい
「私は母の人生について何も知らない」。堀切さんの母親は自身の人生を娘に伝える間もなく、38才の若さで急死した。「自分ももしかしたら…って。何かで記録を残して、子どもたちに伝えたいと思っていた」と本にまとめた動機を話す。楽しく生きたことが伝われば、自分が死んでも悲しくないはず――そんな思いで、言葉を紡ぐ。「でも子どもたち、読まないんですよ」と苦笑い。
堀切さんを担当する同新聞社出版メディア部の高木佳奈さんとは約10年のつきあい。堀切さんが、俳句の本を出したいと相談したのがきっかけだった。高木さんは「俳句の素人の私が見ても、素晴らしい才能だなと思った」と出会いを振り返る。09年に日本随筆家協会賞の大賞、13年に毎日新聞俳句大賞を受賞し、頭角を現す。「自分が書いたもので誰かが元気になってくれれば」と今後の活動にも意欲を見せる。
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