上中里町内会(田邊実会長)では、老朽化で担げなくなった樽みこしに代わり、夏祭りで担ぐ子どもみこしを手作りしている。完成したみこしは、上中里地区センターで7月26日午前11時から行われる町内会の夏祭りで披露される。
645世帯が加盟する上中里町内会。普段から地域防犯や見守り、子ども会の活動などに力を入れている。
同町内会では20年ほど前から毎年夏祭りを開催しており、屋台やゲームが並ぶ会場にはお年寄りから子どもまで多くの住民たちが訪れ、賑わいを見せる。
祭りの中で子どもたちが担いでいた樽みこしは、祭りの開始とともに町内の企業から寄付された。近年は持ち手にひびが入るなど老朽化が激しく、昨年度からみこしの新調が検討された。
みこしの購入には最低でも30〜40万円かかるため、町内会の予算では購入が難しく、自分たちの手で製作することに。本やインターネットを利用し、構造や作り方を調べ、副会長の萩原哲夫さんが設計図を作成した。金属パイプや木材などの材料は会員に趣旨を説明した上で寄付を募り、集まった7万8千円で用意。上中里お囃子会や成年会、子供会が協力し、6、7月の土日に町内会館で本格的なみこしの姿へと組み立て、塗装を行ってきた。
田邊会長は「子どもらには自分で作ったみこしに誇りを持ってほしい」と話す。
街の文化伝承に期待
もともと上中里地区は、近隣の矢部野(洋光台の一部)、田中、栗木、峰、氷取沢とともに六ケ町と呼ばれた地区。それぞれに鎮守の神社があり、約80年前には各神社に一基ずつ揃いの大みこしが奉納され、祭りで担がれていた。
上中里神社のみこしは、担ぎ手不足や道路使用の問題などで約40年前から表に出なくなったという。
田邊会長は「みこしがあったこの街の文化を復活させたいという思い。子どもたちにとっても、みこしの製作が地域文化の理解につながるのでは」と話す。
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