神奈川県教育委員会は14日、「県立高校改革実施計画(I期)案」を公表し、氷取沢高校(佐藤亮一校長)と磯子高校(鑪英治校長)を統合させることを明らかした。2020年4月に新たな高校として開校するとしている。
県立高改革案受け
県教委は今年9月に「県立高校改革実施計画(全体)」素案を公表していた。それによると、計画期間を2016年度から27年度の12年間とし、I期を16年度からの4年間と定めた。県内を、横浜北東・川崎(31校)、横浜南西(31校)、横須賀三浦・湘南(26校・分校1校)、中・県西(21校)、県央・相模原(33校)の5つのエリアにわけ再編し、現在の142校(分校1校)を20〜30校削減する内容を盛り込んでいた。
生徒減少が引き金に
改革の背景には、少子高齢化による生徒数の減少がある。県教委によると、県内の公立中学校の卒業予定者数は1988年の12万2000人をピークに減少傾向が続き、今年3月には6万9744人にまで減少。15年後の2030年は、6万2249人にまで減少すると推測されている。
14日に公表された実施計画(I期)案では、人口増加が見込まれる横浜北東・川崎地区を除く4エリアの10校(1分校含む)が6校に再編・統合される。横浜南西は氷取沢高と磯子高が対象となった。
氷取沢の施設を利用
氷取沢高校は、1983年に開校。現在の生徒数は1021人で、国際理解教育を実践している。磯子高校は1977年創立。2015年度の生徒数は1002人で26学級。1991年に国際ビジネスコースを開設し、2013年にグローバルコミュニケーションコースに改め、国際理解、異文化理解教育に取り組んでいる。
両校の統合に関し、県教委は「比較的近いところに学校があり国際教育に力を入れている点など特色が似ている」ことを挙げた。統合後は、両校が実践してきた国際教育を踏まえ、英語コミュニケーション能力の向上や姉妹校交流を通じた国際理解教育に取り組む。敷地、施設は氷取沢高校を活用し普通科の全日制課程となる。統合後の校名は、今後検討し、資料や記念品などは統合先に引き継ぎ、保管、展示スペースを設けるとしている。
磯子高校はグローバルコミュニケーションコースの2017年度入学生募集を停止する。磯子高校全体では、2018年度以降の入学生の募集は行わない。現在の中学2年生が磯子高校に入学した場合、同校を卒業することになる。
今回の統合・再編について、氷取沢高校の熊野宏之副校長は「発表されたばかりで、具体的なことはわからないが、お互いの学校がなくなるということではなく、良いところを生かし、魅力ある学校にしていきたい」と話した。また、磯子高校の鑪校長は「来年度も新入学生の受け入れもあるので、生徒の学校生活を第一に考え、職員がこれまで以上にサポートしていきたい。校舎がなくなってしまうのは寂しいが、県全体での方針として職員も取り組んでいきたい」とコメントした。
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