平戸永谷川が市の管理に 県から委譲、二級河川では初
港南区内を流れる二級河川・平戸永谷川の管理権限が4月1日より、神奈川県から横浜市へと委譲される。県内にある二級河川の権限委譲は今回が初。市が管理することで公共下水道と合わせた総合的な浸水対策が図れるほか、水辺愛護会など市民活動の幅が広がることなどが期待される。
河川には暮らしや産業を守るために重要で国が管理する一級河川と、公共の利害に重要で都道府県が管理する二級河川、それ以外で市町村が管理する準用河川がある。二級河川の平戸永谷川は、上永谷の馬洗橋上流端を起点に環状2号線と平行して流れ、戸塚区柏尾町の柏尾川合流地点まで。河川延長は4920m。
一級・二級河川の管理権限の委譲は、地方分権の推進や政令指定都市における二重行政の解消という観点から、平成12年に改正された河川法を受けて進められているもの。市内の一級河川では既に3本の河川が市の管理で、二級河川では今回初めて委譲される。
平戸永谷川は昭和45年度から平成19年度まで、河川の氾濫防止を目的に国・県・市の事業として「都市基盤河川改修事業」を実施した。川幅を広げるなど改修事業の終了したタイミングで権限委譲の検討、準備が進められてきた。
水辺愛護会の活動さらに充実
平戸永谷川の権限が県から市へ委譲されるメリットとしては、河川の維持管理、各種対策がよりスピーディーに進められることが挙げられる。例えば、平戸永谷川と芹谷川の合流地点の川幅を広げる改修工事や、市の管理する平戸永谷川遊水池を活用した水量の調整など柔軟に浸水対策を行うことも可能となる。
そのほかには、平戸永谷川に関する窓口や権限が一元化されることによって、市民や水辺愛護会の要望、申請に対して迅速に対応できることも大きい。今後は河川や遊歩道など、まちづくりと一体となった水辺環境の整備も行えるという。
権限委譲について、平戸永谷川の清掃活動など行う平戸永谷川水辺愛護会の大平力蔵会長は、「これまでは木を植えたり、花壇を作ったりするのにも県の承諾が必要で時間がかかった。権限委譲で活動の幅は広がる」と話す。今後については「河川敷に河津桜を植えて『観桜会』の開催や、魚のつかみ取りなどイベントを行い、地域や家族の絆やつながりを深めるような活動をしたい。平戸永谷川の委譲が他の河川の権限委譲にもつながれば」と語っていた。
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