振り込め詐欺を直接啓発 高齢者宅を戸別訪問
港南警察署は12月8日、地域防犯団体と協力して「振り込め詐欺抑止ピンポン大作戦」と題して上永谷地区と港南台地区の高齢者宅を対象に戸別訪問を行った。同署が注意喚起のために直接訪問を行うのは初めて。
12月12日現在、今年1月からの区内の振り込め詐欺発生状況は未遂1件を含む23件、被害総額は2921万1080円にも上る。神奈川県全体でも11月30日時点での発生件数は807件と前年の708件から99件増加している。
同署は、12月15日の年金受給日後は高齢者を狙った振り込め詐欺が増加することから、高齢者宅を戸別に訪問して振り込め詐欺への注意を訴えることにしたという。これまでも注意喚起のキャンペーンなどの活動は行ってきたが、直接対面で訪問の形を取るのは今回が初となる。
当日は上永谷地区と港南台地区に別れて訪問を実施。上永谷地区では港南防犯指導員、港南台では港南台地域防犯を考える会がそれぞれ警察官と共に高齢者宅を訪問。合計100戸ほどを周り、直接高齢者に対面で注意を促し、詐欺被害の手口を記載したチラシや、振り込め詐欺・ひったくり抑止の標語とイラストの入ったメモ帳を配付した。
訪問を受けた高齢者の1人は警察官の直接訪問に驚いた様子だったが、「振り込め詐欺にひっかからないように気をつけたいと思う」と話した。当日の訪問先で実際に被害に遭った人はいなかったが、家族をかたるオレオレ詐欺などのほか、還付金詐欺、架空の会社からの株の先物買いのセールスの電話がかかってきたという声も聞かれた。訪問先の高齢者は、家族同士が連絡をまめに取り合うことと、家族が自宅を訪問していることなどの対策を挙げていた。
同署は「最近の振り込め詐欺は手が込んでいる。家族を名乗る相手が電話番号が変わった、お金を貸してほしいと電話してきたら振り込め詐欺だと思ってほしい」と訪問宅に呼びかけていた。振り込め詐欺の被害傾向として、1人で住んでいる60歳以上の女性高齢者が狙われやすいという。
振り込め詐欺の電話対策として同署は在宅時でも留守番電話に設定しておくことを推奨している。一呼吸置くことで突然の不審な電話にも慌てず落ち着いた対応がとれるという。当日の参加者も「冷静になることが大切」と被害防止にあたってのポイントを語った。
今後同署は戸別訪問の継続を考えているほか、振り込め詐欺防止のために防犯講話やキャンペーンなどを実施し、啓発活動を続けていく予定だ。
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