永谷天満宮の宮司に就任 川辺 浩司さん 日限山在住 32歳
神社で「教育」実践
○…初詣や七五三、学生時代には受験の時に「神頼みした」こともある永谷天満宮に、6月から宮司として奉職。「原点に戻ってきた」と晴れやかな表情を浮かべ、「これも神のお導き」と微笑みながらも、新たに神社を背負って立つ気合は「誰にも負けない」と意気込む。
○…生家は神職とは関係のない一般家庭。大学時代は教員を目指す勉強のかたわら、知人の誘いを受けて、元々興味のあった永谷天満宮で天神囃子に参加。祭事の際には囃子の1人として太鼓を叩いていた。そのうちに「永谷天満宮の役に立ちたい」と考えるようになり、大学院の教育学科に通いながら國學院大学の通信講習を受け、神職の資格を取得。当初は、「空いた時間に神社を手伝えたら」と考えていたが、「あれよあれよという間に」実習先だった鶴岡八幡宮に2005年からそのまま務めることに。そのきっかけは大学で教育を学ぶうちに日本の歴史や文化を伝える場所として、神社に教育の側面を見出したことが始まりだった。
○…鶴岡八幡宮時代は、神社を介して自然の大切さや日本文化を学ぶ子ども会「鶴の子会」の運営に携わった。地域の協力を受けながら子ども達と田植えや稲刈り、漁船への乗船、境内での遊びなど「古来からある日本の風習や行事を肌で感じること」を主題に企画を立て「学校の教育を補う形で」神社を舞台にした教育を実践してきた。
○…信仰や参拝について「目に見えないものを敬うことは、現代では希薄になりがちな子どもの感性を育む面がある」と、教育者の視点で語る。かつて目指していた教師から神職へ歩みを変えても、志す教育の道は今も昔も変わらない。「鶴の子会」の運営を任されたのも教育への情熱があったからこそ。今後は鶴岡八幡宮での企画経験を活かしながら、気軽に立ち寄ってもらえる神社を目指し、遊びや教養を取り混ぜて「将来寺子屋のようなことができたら」と意欲を燃やしていた。
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