横浜南陵高校3年の松岡慶将(けいすけ)君がアメリカンフットボールの19歳以下日本代表候補として、6月14日から18日まで最終選考を兼ねて滋賀県で行われた強化キャンプに参加した。惜しくも代表入りは逃したが、最終候補に残った高校生は神奈川県内で唯一。今後の活躍が期待される。
この代表選考は、6月28日からアメリカで開催されるアメフットのジュニア世界選手権大会出場に向けたもの。高校や大学など日本アメリカンフットボール協会加盟団体の登録選手で、16歳から19歳に出場資格が与えられる選考会に自ら申し込み、3月から行われた2度の選考会を通過して日本代表候補に選出された。
しかし今回の最終選考に残った70人のうち、高校生はわずか10人。45人の代表枠を争うライバルはほぼ大学生という厳しい状況だった。残念ながら代表入りは果たせず、「東京や関西では中学からアメフットをプレーできる場がある。(その環境がない)神奈川の選手とはレベルの差がものすごくあった」と悔しがる。
アメフット一家に育つ
競技歴は高校に入学してからと日はまだ浅い。しかし、父親で南陵のコーチを務める輝茂さんは日本大学時代にアメフット選手として全国制覇した経歴を持ち、伯父の秀樹さんもアメフットの日本一を決める選手権大会で大学と社会人時代にМVP(最優秀選手)を獲得した名選手。そんな家庭環境に育ち、アメフットは幼少の頃からもっとも身近なスポーツだったが、輝茂さんからの勧めは一切なし。南陵で競技を始めたのは自身の決断だった。
観る立場からプレーする立場となった今、作戦ごとに各選手の動きが異なるパターンを数十通り把握し、体力だけでなく頭脳的要素も求められるアメフットの難しさを改めて実感した。それでも、「(フィールドにいる)11人それぞれに役割があり、各自がまっとうすることで1つのプレーが完成する」と、その奥深さが魅力だと語る。
鍵は精神的成長
南陵のアメフット部は私立の強豪に比べると圧倒的に少ない部員数ながら、今春には関東大会へ初出場を果たした。卒業後の進路は未定だが、「スポーツをするならアメフット以外は考えられない」。うまくプレーできないと「もう嫌だと思うこともある」と明かすが、練習試合にも観戦に駆けつける祖父母について語り、「じじばば孝行できているんですかね」と笑った。
一方、輝茂さんは「代表候補に選ばれたのは父親として嬉しい限り」と喜びながらも、「肉体的にはしっかりしてきたが、精神的にまだ弱い」と厳しい。だが、大学から競技を始めた自身と比較し、「僕以上に伸びるのでは」と期待は大きい。
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