「する」「観る」に加え「語り合う」スポーツへ―。「1年の準備期間を含め、3年で日本一になった。来季は第2のステップと位置づけ、茶の間で語られるような、多くの人に認められるスポーツにしたい」。廣田和生球団会長が描くチームづくりの根底には、幅広い世代のファン獲得がある。「2季目のターゲットは家族ぐるみ」と話すとおり、5月19日、横浜から離れた決勝の地、有明コロシアムでも子ども連れが目立った。
「バスケ競技者以外の層など不特定多数への情報発信や働きかけで、チーム運営の後方支援をしたい」と話すのは横浜市市民局スポーツ振興課の担当者。横浜ではビーコルを含む市内プロスポーツ4チームをはじめ、市や市体育協会、地元メディアらで構成する「横浜熱闘倶楽部」が、チーム支援に取り組む。月1回の定例会を開き、チーム間の交流も活発なのが特徴だ。
同団体は2012年度予算で、地域貢献などの事業費として4チームに100万円ずつ助成。ビーコルは昨年度、チームと市民の交流事業として選手らによるクリニック(バスケ教室)や学校訪問など計18回を行い、1126人が参加した。
さらに子ども向けPR事業の一つとして、同団体では市立小中、高校、特別支援学校の512校にある情報集配室、通称「学校ポスト」を活用。試合日程などが書かれた各チームの広報チラシを配布している。
ホーム戦で市外からの集客増を狙う考えもある。「地方から来る相手チームの観客は、横浜で宿泊や食事をする可能性が高い。観光事業者とのタイアップも検討したい」と同課担当者。サッカーJリーグでは、相手チームの観戦客向けに「お出迎え」企画を試合会場の最寄駅で開催するチームもあるという。横浜を拠点にするチームとして、地域交流や観光などあらゆる視点のアイデアも視野に入れる必要がありそうだ。―続く
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