港南警察署長に新しく就任した 小玉 悟さん 港南在住 59歳
「ありがとう」の心 胸に
○…3月19日付で就任した。市内在住ということもあり、身近だった港南区だが「悪天候でも、早朝から地域住民が小学生の交通整理を多くの場所でしている。すばらしい街」という印象を受けた。自身も区内の官舎に住むため、温かさを実感することがしばしば。「ごみの分別も地域の”先輩”が見守りながら、教えてくれる。新しい人が来ても、自然と入っていける感じ」
〇…出身地の山形県から海に憧れ、18歳で神奈川県へ。これまで県警本部の交通部や警察学校、交通機動隊、川崎市、警察庁(東京都)の交通局、山手警察署長など広範囲でさまざまな役職を担い、経験を積んできた。中でも”交通畑”は20年以上歩んできた。42年間の警察官生活の中で忘れられない経験が2つある。1つ目の「成田闘争」では、自身がいる部隊が反対派に攻撃された。「初めて命の危険を感じた」出来事だ。2つ目は、麻生区(川崎市)での交通課長時代、指揮を執った暴走族同士の抗争事件だ。逮捕者は約40人に上り、解決するまで3カ月間自宅に帰れなかったが、「地域住民が喜んでくれたのが、一番うれしかった」とやりがいも大きく感じたという。
〇…「いけいけ、どんどんな性格」と自己分析。仕事では「悩んでないで動け」と行動第一で職責を果たしてきた。立ち止まらずにこれまで働いてきたが「署長職も2度目だし、これからは振り返ることも必要」と心境に変化も。とりわけ「癒しの存在」という昨年秋に生まれたばかりの初孫の話題に触れると、厳しい表情が一転して目を細める。
〇…夢は県民から信頼され、親しまれるような若い警察官を育てることだ。署員には「あいさつ」とモットーである「ありがとうの心」を必ず持つように指導している。「仕事は辛いものだからこそ、明るい職場に。そして地域の視点で積極的に活動していきたい。署長室のドアはいつでも開けておく」。ぶれない厳しさと明るさで、新天地に臨む。
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