神奈川県全域・東京多摩地域の地域情報紙

  • search
  • LINE
  • MailBan
  • X
  • Facebook
  • RSS
港南区・栄区版 公開:2014年7月24日 エリアトップへ

所有者不明の猫を救う(下) 猫の「生」見守る責任を

公開:2014年7月24日

  • LINE
  • hatena

 「雨の日に、段ボールに入れられた猫がいたとしたら、どうしますか」――。港南区獣医師会の太田雄一郎会長=写真=は開口一番、質問を投げかけた。放っておけず、思わず拾い上げて連れ帰ってしまう人がいるかもしれない。だが飼い続けられるのならともかく、そうでなければ他の飼い手を探すか、結局は捨てるほかなくなる。

 「猫を捨てないで、と呼びかけるのは難しい」と太田会長は話す。「結果だけに着目して、捨てるのが悪いと責めるなら、そもそも拾うことすら否定することになる。だがそれは正しいのか。優しい心による行動であるはずなのに」

 太田会長は港南区内の野良猫を減らそうと、ボランティア団体「港南キャッツアイ」の会長としても活動し、不妊去勢手術費用の募金などに取り組んできた。だが、屋外にいるのは飼い主のいない野良猫に限らず、飼い猫を家の内外で自由に出入りさせているケースも多い。「飼い猫を外に出すのであれば、最低限やるべきことがある」と言い、「不妊去勢手術をして、外での繁殖を防ぐこと。また、猫が他人に迷惑をかけた場合に備え、連絡先を記した首輪をつけること」を挙げる。「飼い猫が外で何をしていようが『知らない』、という態度は無責任すぎるのでは」

 繁殖によって増えることがなければ、野良猫は時間の経過とともにそれぞれの生を終え、やがては姿を消していく。横浜市も、地域猫活動などを通して将来的には飼い主のいない猫をなくす方向を目指している。「不妊去勢などによって、飼い主のいない猫が増えないよう、まずは徹底すべき。そうすれば、猫が嫌いな人にも、1代限りと思って今生きている猫を大目に見てもらえるかもしれない」と、太田会長は社会における妥協点を提案する。

 処分を余儀なくされ、幼く生を終えることだけでなく、嫌われながら生を営むこともまた、猫にとっては不幸なことだろう。責任ある管理こそが、猫を救う道なのかもしれない。

(了)

港南区・栄区版のローカルニュース最新6

横浜市へのふるさと納税でJR運転士・車掌体験

横浜市へのふるさと納税でJR運転士・車掌体験

寄付5万円、仕事体験ツアー

4月23日

脱炭素化、気候変動対策を考えるワークショップ

脱炭素化、気候変動対策を考えるワークショップ

5月29、30日 パシフィコ横浜とオンラインで

4月23日

日本最大級のトラック関連総合展示会「ジャパントラックショー2024」

「よこはまパレード」に「あぶない刑事」舘ひろしさん、柴田恭兵さんも参加

高校生の海外留学支援で補助金

高校生の海外留学支援で補助金

横浜市が希望者募集中

4月22日

中小企業のDX・デジタル化支援へ補助金

中小企業のDX・デジタル化支援へ補助金

市、上限100万円と10万円の2コース

4月20日

意見広告・議会報告政治の村

あっとほーむデスク

  • 4月11日0:00更新

  • 4月4日0:00更新

  • 3月28日0:00更新

港南区・栄区版のあっとほーむデスク一覧へ

イベント一覧へ

バックナンバー最新号:2024年4月23日号

もっと見る

閉じる

お問い合わせ

外部リンク

Twitter

Facebook