市消防局ヘリ訓練 患者の緊急搬送 理解を 日野中央公園で市民公開
横浜市消防局は、救急救命を目的に患者を消防ヘリコプターで搬送する訓練を、8月12日に日野中央公園で実施した。当日は港南消防署と市消防局航空隊、済生会横浜市南部病院が連携し、傷病者の区内外への緊急搬入と搬送を想定して実施した。
同訓練は、今年6月から2015年3月までに市内に31カ所ある公園などのヘリコプター飛行場外離着陸場で各区2回(計36回)実施する「ヘリ離着陸訓練」の1つ。航空隊と各消防署が合同で行う。
港南区では飛行場外離着陸場に唯一指定されている日野中央公園の芝生広場で、8月12日と9月10日に訓練を計画。ヘリ訓練は昨年に続き2度目だ。
区内では南部病院が平時だけでなく、災害時の医療救護活動で中心的な役割を担う県の「災害拠点病院」に指定されていることから、重症・重篤患者を消防ヘリで搬送入するケースが想定されている。当日は港南消防署の隊員34人をはじめ、航空隊7人、南部病院の医師ら3人が参加。訓練は県外の病院から搬送されてきた傷病者の緊急搬入と、南部病院から傷病者を県外の病院へ搬送する2つの想定で行われた。
ヘリ着陸直前には、砂埃の飛散を防ぐため同署の隊員がヘリポート周辺に散水をする場面も。隊員の誘導を受けて横浜ヘリポート(金沢区)から第2航空隊が保有する全長約14mのヘリコプター「はまちどり2」が着陸すると、ヘリによる強風と騒音に見学に来た市民は驚いている様子だった。
ヘリ搬送 協力多数
一方で今回の訓練は、市民に消防ヘリへの理解を深めたい狙いもある。砂埃や騒音などヘリ離着陸による周囲への影響は大きい。今回初めて訓練に参加した南部病院・救急診療科主任部長の豊田洋医師は「民家も近く、周囲への影響や多くの協力があってヘリが飛ぶと分かった」と話していた。
港南消防署・警防第二課の宮本康明課長によると、ヘリを利用すれば市内全域を10分以内で移動できるという。宮本課長は「ヘリ離着陸のため、地上の消防隊は安全管理の協力を徹底する。1人の患者をヘリで運ぶために、多くの協力が必要なことも理解してもらえたら」と説明していた。
次回、9月10日(水)の同公園でのヘリ訓練は、午後1時30分ごろから予定されている(予備日は12日(金))。
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