横浜市アマチュア無線非常通信協力会港南支部(佐野和義支部長)は、災害時の情報連絡を担う団体として、各地域防災拠点の防災訓練に参加するなど活動を続けている。
「日野南小学校地域防災拠点より区本部へ。避難者数が確定しましたので報告します。男180人、女305人、計485人です。なお、負傷者は34人で医療拠点へ搬送済みは8人です」。日野南小学校地域防災拠点で10月25日に行われた防災訓練で、同協力会港南支部は拠点と区庁舎内に設置している無線局との間で通信訓練を行った。
同協力会は市内のアマチュア無線家で構成するボランティア団体で、災害時の情報連絡について横浜市と協力協定を結んでいる。18区すべてに支部があり、港南支部は約120人の会員が在籍。港南支部としても港南区役所と協力協定を結び、日ごろの防災訓練などに参加、協力している。
被災時には災害対策本部となる区庁舎のほか、要請を受けた地域防災拠点に支部会員が向かい、互いに通信体制を整える。被害状況や避難者数、必要な物資などの情報は非常に重要であるため、アマチュア無線以外にも有線電話や市が整備したデジタル移動無線と合わせて運用することとしている。
アマチュア無線は支部会員が自ら所有する機器を持ち寄って通信するため、故障などのトラブルは少なく、また、アマチュア無線技士等の資格を保持しているため、無線に関する知識も豊富。情報の孤立化があってはならない地域防災拠点において、情報伝達方法を複数にでき、信頼度も高い同支部は「非常に効果的で心強い存在」と区の防災担当者は話す。また、SSTV(低速度走査テレビジョン)技術により、静止画像の送信もできるようになり、より正確な状況を伝えることが可能となった。同支部は現在、SSTVの対応も順次進めているという。
会員増強が鍵
一方、佐野支部長を含め、70代の会員も多く、高齢化と会員数の減少が課題でもある。離れた距離の人と会話ができることが無線の大きな魅力だが、携帯電話の普及と共に趣味としてのアマチュア無線愛好家は減っている。同支部では定年後の趣味などで始めた人などに声をかけるなど、被災時の対応力を維持していくため、会員増強に力を入れており、同支部への入会を呼びかけている。入会に関する問い合わせなどは佐野支部長【電話】045・842・2656まで。
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