関東経済産業局と関東農政局が認定する農商工等連携事業計画として、洋菓子店プチ・フルールを運営する(株)横尾商事(港南区大久保)は、小田原市根府川(ねぶかわ)の柑橘農家、廣井園芸のグリーンレモンを活用して新たなレモンケーキの開発を行う。販売開始は初夏頃の予定だ。
同計画は中小企業と農林漁業者が連携し、それぞれが持つ経営資源を有効に活用して新商品の開発や生産などを行うもので、両者の経営支援につなげるのが狙い。神奈川県下では横尾商事と廣井園芸の事業を含め、10件が認定されている。同計画として認定されると、補助金や専門家によるアドバイスなど、国から総合的な支援を受けることができる仕組みだ。
両者の思惑が一致
横尾商事は県内産フルーツを使って新商品を作りたいと原材料の調達を検討していた際に、柑橘類の生産地である小田原市根府川産のレモンの美味しさや安全性に着目。一方、廣井園芸はサイズなどの面で規格外となってしまうレモンの有効活用を考えており、両者の思惑が一致。横尾商事は良質なレモンを低価格で仕入れることができ、廣井園芸は未利用だったレモンの出荷拡大で新しい収益源とすることや根府川ブランドのPRができるとして、連携することが決まった。また、その過程で横尾商事と取引のあった湘南信用金庫上大岡支店が同計画として申請することを提案し、今回の認定に至った。
爽やかな香りが特長
今回、開発した新商品は「湘南根府川グリーンレモンケーキ」(仮称)。廣井園芸の廣井弘義園主が「皮がフレッシュで若い香りがする」と説明するグリーンレモンの魅力を生かし、横尾商事が商品を開発。封を開けた際にグリーンレモンの爽やかな香りが楽しめ、また、皮の苦みやレモン自体の酸味が調和するように工夫を重ねたという。横尾商事によると、商品価格は未定としているが、初夏頃からプチ・フルールで販売するほか、小田原・箱根のホテルや土産物店、首都圏の和洋菓子店に卸して販売することを検討中だという。
2月18日には神奈川県庁舎で同計画の認定証交付式を実施。同じく認定を受けた県下の企業と共に横尾商事の横尾典克常務と廣井園主が出席し、認定証を受け取った。横尾常務は「神奈川、横浜で長年仕事をしてきたが、地産地消の商品は多くなかった。地場の産業を使うことは大切なこと」と思いを語り、廣井園主は「グリーンレモンだけではなく、今回の商品開発をきっかけに他の品種でも商品開発をできれば」と今後の展開にも期待を示していた。
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