第60回全国高等学校総合体育大会(インターハイ)の弓道男子・神奈川県予選が5月24日に厚木東高校で行われ、市立南高校の境井拓海君(3年)が1位に輝いた。8月6日から奈良県で行われる全国大会の切符を手にした境井君は、全国制覇を目標に練習を重ねている。
神奈川県の総合体育大会を兼ねて行われたインターハイ予選には、神奈川県内の高校生423人が出場。そのうち、個人競技で全国に進めるのは上位2人のみ。8射のうち7射以上を的に当てるという厳しい条件をクリアして決勝に駒を進めたのは、わずか17人だったが、うち6人は的中率100%の8射8中。南高・境井君もその1人だった。
決勝の競技は、1射ずつ矢を放ち、外した選手から脱落していくという「射詰(いづめ)」により行われた。プレッシャーのかかる中、ここでも境井君は連続で的中を続け、6射目を終えた時点で県立相模田名高の上瀧(じょうたき)喜大君(3年)との一騎打ちに。
全国行きを手中に収めたが、「1年生の時から先輩を越えることが目標だった。去年、先輩が2位で全国に行ったので、ここで1位になれば越えられる、絶好のチャンスだと思った」と境井君は気を緩めなかった。
2人はさらに2射を続けるも決着がつかず、9射目からは一回り小さな的に。2人はともに9射目を外したものの、境井君は「的は大きく見えていた」と落ち着いて10射目を当て、上瀧君が外したことで優勝が決まった。
個人戦に先立ち同日行われた団体戦では決勝に進めなかったが、その雪辱を果たした。「”悔し泣き”はこらえたけど、一緒に練習してきた皆も喜んでくれたから、”嬉し泣き”はこらえられなかった」と明かした。
射形にもこだわり
境井君は小学2年から中学までは剣道一筋。弓道は高校から始めたが、1年生の夏には早くも練習時の的中率が50%を超えていた。
一方で、大会入賞など試合で結果が出始めたのは今春から。国体、関東大会の県予選でそれぞれ6位、4位に入賞し、顧問の庄司智浩教諭も「大会では100%近い的中率が求められるため、コンスタントに入賞できる選手は少ない」とその成長に驚きを隠さない。
「優勝するつもりで臨まないと、勝てないから」と笑顔で語る境井君の目標は、全国でも「優勝」。矢を射るフォーム「射形(しゃけい)」にもこだわり、「当てるだけではなく、人の目にとまるような弓道を見せたい」と意気込みを語った。
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