地域に密着した消防防災のリーダーとして市民が活動する消防団。横浜市内には各区を中心に20団があるが、そのほとんどで定数割れとなっており、港南消防団(大津政美団長)も同様だ。そんな中、女性消防団員の役割に重要性が増してきている。
消防団は消防組織法に基づき、それぞれの市町村に設置される消防機関で、本来の仕事や学業、家事などをしながら、災害その他の必要時に活動する非常勤・特別職の地方公務員。横浜市では市内に在住、在学、在勤している満18歳以上なら、男女問わず入団が可能で、市長の承認を経て、消防団長が任命する。
港南消防団は1969年に、港南区誕生と同時に南区の大岡消防団から分離独立して発足。現在、1本部5分団を抱える。団員の定員は285人だが、2015年4月1日時点で、実員は256人と満たないのが現状だ。
これには、かつてのように団員として活動しやすい自営業者が減ったことや、12年から市が満70歳での定員制を導入したことにより純増が難しいなどの理由が挙げられる。
日中の力に
一方、95年の阪神・淡路大震災が契機となり、市では97年からそれまで男性のみだった団員に女性も採用されることに。同年、港南消防団を含む12消防団で、190人の女性消防団員が採用された。
港南消防団では現在、256人いる団員のうち、女性団員は36人。原則、活動内容は男性と同じだが、母性保護の観点から消火活動は実施しない。
大津団長は女性団員が活動するメリットについて「災害は日中発生することもある。その際、自宅地域にいることが多い女性が力になる」と指摘する。また、平時の活動として幼稚園や保育園での防火防災指導や、公立中学校での救命講習にも、日中動きやすい女性が活躍しているという。
第一分団2班で副班長を務める浅葉美子(よしこ)さん(65)は、団員をしていた兄の勧めで08年に入団。活動について「地域で先に立つことは大変だが、交流もできてやりがいを感じる」と話す。
大津団長は「多くの災害が懸念される今、地域情報に詳しい団員の定数確保は絶対に必要。地域に広くPRして、男女とも増やしていきたい」としている。
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