使用済みや期限切れの不要になった天ぷら油(廃食油)を定期回収し、CO2排出量の少ない燃料に再生・活用する試みが港南区内の自治会・連合自治会で始まっている。区の区政推進課も協力しており、自治会と行政が連携した継続的な試みは横浜市内で初めてだという。
定期回収を始めたのは、芹が谷連合自治会(藤田誠治会長)の黄金苑・三井団地・芹が谷台の3自治会と野庭住宅連合自治会(木村妙子会長)。
今回、自治会と連携して回収を行う横浜市地球温暖化対策推進協議会の佐藤一子事務局長は「天ぷら油は下水に流すと海や河川を汚し、庭に捨てると土壌汚染につながる。固体化して捨てても、焼却炉の火力を上げるためCO2を多く排出させてしまう」と指摘する。
芹が谷連合自治会では、昨年2014年2月に横浜市の職員と佐藤事務局長を講師に招き、環境に関する勉強会を実施。今年6月には天ぷら油活用の勉強会も行っていた。
藤田会長は「温暖化に対する行動を、負担がかからない方法で少しでも始められたらと思った」とし、同協議会と連携して自ら会長を務める黄金苑自治会で、8月7日から定期回収をスタートさせた。
油はペットボトルにためる方法で毎月1回、芹が谷ふれあい会館で回収。第1回目は4リットルだったが、2回目の9月8日には三井団地自治会も加わり、16リットルが回収された。今後は芹が谷台自治会も参加し、回収を行う予定だ。
油は同協議会の会員である信愛エナジー合同会社が回収。独自の技術でCO2排出量の少ない燃料に再生し、ディーゼル発電機やビニールハウスなどで重油の代わりとして使用するという。藤田会長は「この活動が浸透し、広がっていけば」と期待を込める。
ゆめワールドで今年も回収・再生
港南区では今年も昨年同様に、11月7日(土)に港南ふれあい公園で開催される「こうなん子どもゆめワールド」で、不要になった天ぷら油の回収を行う。燃料に再生するほか、会場で排出されるCO2と相殺(カーボンオフセット)することが目的で、区政推進課の担当者によると昨年は210リットルが回収され、排出量を上回るCO2の削減効果があったという。
天ぷら油は会場の「カーボンオフセットブース」で回収。ペットボトルで持参し、揚げカスが少し入っていても問題ないという。
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