総合建設業の(株)キクシマ(港南台/菊嶋秀生社長)が開催した「まちを楽しくする」デザインコンペの優秀賞3作品が11月2日の公開審査で決定した。3作品は今後、同社の協力のもとで製作され、2016年1月ごろから半月ほど、横浜都心部に仮設展示される。
このデザインコンペは、今年創業50周年を迎えた同社の記念事業。横浜都心部に賑わいを創出することを目的に、「まちを楽しくする」というテーマのもと、ベンチなどの「ストリートファニチャー」(屋外設置物)を対象に実施された。10月の1次審査には111作品が集まり、11作品が通過。11月2日には公開プレゼンテーションという形式で最終2次審査が行われ、優秀賞3作品、佳作8作品が決定した。
優秀賞3作品には、(株)アトリエハレトケ一級建築士事務所(東京都大田区)で代表取締役を務める長崎辰哉さんの「『みんなの輪』〜樹の下の『からみ合い』〜」、慶應義塾大学ホルヘ・アルマザン研究室(港北区)の「Three Hundred Chairs」、デザイン事務所「デザインピープル」(中区)の久万(くま)奈都子さんの「いぬの停留所」が選ばれた。
楽しいを創る3アイデア
長崎さんは「樹と人の距離を近づけることと、街なかに人のくつろげる場所を作ること」をコンセプトに、街路樹を取り巻く形でベンチを配置。「樹を背に座るだけでなく、さまざまな方向を向いて座れるので、色んな人やものとの出会いのきっかけの場にもなれば」と狙いを明かす。
アルマザン研究室の作品では、文字通り300もの椅子を配置。学部生ら17人のメンバーを率いるアルマザンさんは「出会いやコミュニケーションといった『活動』をデザインした。椅子は固定せず、動かせることがポイントで、なるべく多く並べることで活気が生まれる」と期待を込める。
久万さんは、自身の散歩コースでもある山下公園や元町の商店街への設置をイメージ。「ウオーキングは健康増進の面でも注目されているけど、自然と歩きたくなるような楽しい街並みになれば。また犬を連れている人には『歩いていいんですよ』というサインにもなる」とポイントを語っている。
飯田善彦審査委員長は「民間企業によるこのようなコンペはなかなかない。来年以降も続けてもらえたら」と話していた。
|
|
<PR>
港南区・栄区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|