総合建設業の(株)キクシマ(菊嶋秀生社長/本社・港南台)は、同社の50周年記念事業として昨年開催した「ストリートファニチャーコンペ」の優秀賞3作品をこのほど実際に製作し、1月21日に中区の日本大通りで設置セレモニーを開催した。作品は1月31日まで街に仮設される。
同社は昨年、横浜都心部ににぎわいを創出することを目的に「まちを楽しくする」というテーマでデザインコンペを開催。ベンチなどの「ストリートファニチャー」(屋外設置物)を対象としたもので、111作品の中から11月に優秀賞3作品が決定した。
1月21日に行われた設置セレモニーで菊嶋社長は、「(50周年記念として)横浜に輝きを添えられるような事業を、と考えていたものがこうして形になった」と喜びを語り、「他の企業にも協力を呼びかけながら、今後第2回、第3回と取り組みを続けていければ」と意欲を語っていた。
「利用してもらいたい」
この日、設置されたのは、(株)アトリエハレトケ一級建築士事務所(東京都大田区)で代表取締役を務める長崎辰哉さんの「『みんなの輪』〜樹の下の『からみ合い』〜」、慶應義塾大学ホルヘ・アルマザン研究室(港北区)の「Three Hundred Chairs」、デザイン事務所「デザインピープル」(中区)の久万奈都子さんの「いぬの停留所」。
製作は、同社の協力の下で各デザイナーにより進められた。予算や設置場所による制約もあった中、長崎さんは「デザイン時よりコンパクト化したものの、元々のエッセンスは実現できている」と笑顔を見せ、「公の場を使うことの難しさなど、ものづくりを改めて考える勉強になった。どんどん利用してもらいたい」と話していた。
また、久万さんの「いぬの停留所」には早速、散歩中の女性が犬をつなぐという光景も見られ、「犬がいてはじめて完成する作品。人間が考えて作ったものが、動物にも気に入ってもらえるかは心配だけど楽しみ」と期待を寄せた。
赤レンガパークにも
アルマザン研究室の作品は、作品名通り300もの椅子を並べる構想だったが、実際には120脚を製作。市民約100人が参加して行われたワークショップで、使わなくなった学校用の椅子に塗装を施した。
日本大通りには同作品のサンプルとして4脚が置かれ、メーンとして残りの椅子は31日まで赤レンガパークに並ぶ。アルマザンさんは「今回の椅子は『自由に動かせる』というのがポイント。1人で読書を楽しんだり、グループで談笑したりと自由な発想で使ってもらえたら」と話していた。
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