9月5日付で港南警察署の新署長に着任した 青山 利史(としちか)さん 港南在住 53歳
「何事もない日」を目指して
○…警察官としての31年間のキャリアで、航空隊長や高津署副署長を歴任してきたが署長職は自身初。着任後、署員に対して呼びかけたのは「地域住民の目線で仕事をしよう」。刑法犯自体は近年減少傾向にあるものの、「体感治安はそこまで良くなっていない。地域と連携しながら身近な犯罪を防ぎ、まちの安全安心をさらに高めていきたい」。
○…勤めてきた部署は大半が「地域」と「警備」。前職も県警本部の危機管理対策課長で、記憶に新しいのは昨年5月、箱根山の噴火警戒レベル引き上げへの対応。前例のない事態に戸惑いもしたが、県や箱根町との連携により人的被害の発生は防いだ。「危機管理は準備が9割。最悪の事態を想定し、なお万全ではないと自覚することが重要」。何事もなかった――それ自体が注目されることはほとんどなくとも、なによりの誇りだ。「警察の仕事は、警察だけじゃできない。安全や安心のために地域やほかの行政機関の協力、連携が欠かせない」。
○…生まれ育ったのは川崎市。「アニメの『空手バカ一代』を観てから、ずっと強さに憧れがあった」という少年時代だったが、中学高校では俊足を生かして陸上部に入部。大学入学を機に格闘技を始めようと決意すると、空手ではなく「投げるのもありで、一番実践的だと思った」と日本拳法の道を選んだ。「練習をやればやるだけ成果が出て、それがまた楽しかった」。仲間と全力でぶつかりあった日々を懐かしむ。
○…港南区の印象は、「静かな住宅街、賑やかな駅前の両方がある。何よりすごいのは住民のボランティア活動の熱心さ」。妻と娘2人がいるが、現在は単身生活で、「今まで任せきりだったんだなと、しみじみ感謝の日々」。一番の気分転換は身体を動かすことで、ジョギングと筋トレが日課。「ウオーキングマップを持って、まずはコースを歩こうかな」。まちの平和に向けて静かに一歩を踏み出す。
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