後世に地域の歴史を伝える場所「永谷ふるさと村」を作ろう――。永谷地区の住民らのグループが現在、こんな活動に取り組んでいる。下永谷の寺跡地の高台に行き場を失った石像を安置し、永谷地区の歴史の学び場を作ろうという。
村づくりに取り組んでいるのは、永谷地区の各連合町内会とNPO法人港南歴史協議会のメンバーらで構成する「永谷ふるさと村」設立準備委員会(武田信雄会長)。事務局長を務める土屋清敬さん(74歳)は「地域の歴史を伝えなければならない。私の代でなんとかしたい」と話す。
永谷地区(下永谷、上永谷、丸山台、日限山、芹が谷、東永谷、東芹が谷)には、約2000年前の弥生時代から人が住んでいたという記録がある。地区内には殿屋敷遺跡やそとごう遺跡などの遺跡があり、石像物が85体あるという。
ただ、宅地開発や道路整備などで、こうした歴史遺産が消失するケースや行き場を失うケースがある。同委員会によると、約400年前から戦後まで様々な時代に作られた石像物12体が行き場を失い、保管された状態になっているという。
この事態に地域住民らが中心となって組織を発足。横浜市の助成事業「ヨコハマ市民まち普請事業」を活用して、歴史を伝える「永谷ふるさと村」づくりに乗り出した。対象地は下永谷1丁目の600平方メートルの更地。光安寺(戸塚区平戸町)が所有し、昭和27年に廃寺となった旧「光照院明遍寺」跡地。
同委員会が提案する計画では、対象地を「歴史物保存エリア」「知るエリア」「勉学エリア」の3つに区分する。保存エリアには行き場を失った石像物を安置し、由来を説明する表示板を設置する構想。知るエリアには歴史遺産があった場所を示す大型の地図を設置し、勉学エリアには展示物を設置して地域の生い立ちを学ぶ場としたい考え。
来年1月末の2次審査を通過すれば、最高500万円助成される。同委員会では整備費に充てる計画。
土屋さんは「地域の歴史を知らない住民がほとんど。歴史を伝える人も少なくなった。ふるさと村を学びの場、地域の人たちが交流できる場として整備していきたい」と話している。
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