ポローニア交響楽団の指揮者として3月12日にさくらプラザで演奏会を開催する 松村 優吾さん 日限山出身 28歳
「素敵な時間」を追い求め
○…桐朋学園大学の卒業生とともに結成した「ポローニア交響楽団」。3年半ぶりの開催となる今回は、思い入れもひときわ強いという。「この演奏会を地元で開催できることに、縁を感じます。多くの人になじみ深い曲を選んだので、ぜひ楽しんでほしい」。爽やかな笑顔が印象的だ。
○…大学卒業を控えた2011年3月に、東日本大震災が発生。「音楽学校を巣立つ人間として何かできないか」という思いが、この楽団の原点だった。「被災地への追悼」そして「中止となった卒業式に代わるイベント」という意味を込め、旗揚げ公演を実施。好評を得て、第2回、第3回と続けた。メンバーの多忙によりブランクができたが「年齢を重ね、メンバーの何人かは著名な楽団でスキルを上げている。編成も変わり、当時とはまた違う表現が面白い」という。
○…指揮者の父の影響で、幼少の頃からピアノに親しむ。「実は小さな頃は眠っていた」と明かすクラシックの演奏会も、中学の頃には興味深く感じるように。そしていつからか抱くようになったのが「自分も指揮者に」という夢だった。高校で作曲を学び、大学で指揮を専攻。卒業後は、音楽の知見を広めるためオペラを学ぼうと、単身イタリアに渡った。「演奏家とのコミュニケーション」が何より大切な指揮者にとって、言葉の壁は高く、歯がゆい思いもたくさんしたという。欧州で開催されたコンペで入賞も果たしたが「学ぶことは多い」と謙虚だ。
○…自分が振るうタクトの動きひとつで、演奏が動き、聴衆の心も動く。そんな指揮者の役割に大きなプレッシャーを感じる一方、コンサートのたびに再確認するのが、「言葉で表せられないほど素敵な時間」という実感だ。当面の目標は、著名なコンクールで表彰されること。「受賞したから安泰というわけではない。厳しい世界だが、自分の価値を高めるため、挑戦していきたい」と前を見据える。
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