済生会横浜市南部病院(港南台/今田敏夫院長)でEPA看護師候補者として受け入れられていたブー・ティ・リエン・フオンさん(28歳)が3月に看護師国家試験に合格し、今月から看護師として同院で採用された。同院にとって初めての事例。
EPA(経済連携協定)外国人看護師は、日本とインドネシア、フィリピン、ベトナム各国との2国間協定に基づく取組で、2008年度のインドネシアを皮切りに各国から毎年度、候補者を受け入れている。
ベトナムは14年6月に受け入れが始まり、フオンさんは第1陣として来日。同年8月から看護助手として同院で働いていた。
今回の受験者数はEPA全体で447人。そのうち合格者は65人だった。看護の専門知識に加えて日本語の学習も必要なため、外国人候補者にとって国家試験合格は狭き門だ。
フオンさんは初年度から受験しており、今回が3度目の挑戦。試験を振り返り「1度目は難しいと思っていたが、去年は合格したいという気持ちが強かった。試験に向けてスタッフや多くの人々に手伝ってもらった」と感謝の気持ちを話す。
毎週3日間、午後は試験勉強に充てられたほか、休日などは神奈川県や首都大学東京が主催する学習会にも参加してきた。試験では実践問題も多く出題されるため、看護部長の近松明美さんも付き添って指導をしてきたという。
国境こえる看護師に
来日からの3年間、帰国をほとんどしなかったフオンさん。地域の外国人を支援するNPO法人国際交流ハーティ港南台や港南台ロータリークラブの協力もあり、日本文化に多く親しみながら過ごしてきたという。現在は研修期間で、配属先の手術室で日々仕事に励む。
看護部長の近松さんは「実践で伝わる看護は共通言語だと思う。懸け橋として、看護に国は関係がないことを将来伝えてくれたら」と期待を込める。フオンさんは「患者さんの気持ちがしっかりと分かる看護師になりたい」と表情を引き締めて話した。
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