港南区の市立港南台第一小学校で4月28日、教育問題をテーマに全国各地で一人芝居を行う福永宅司さんが全校児童555人と保護者を前に講演した。福永さんが同校を訪れるのは初めてで、今回の講演はPTAが主催したもの。
この日は、力(りき)ともも子という双子の兄妹を描いた作品「もも子」を演じた。同作品はアニメ映画化もされた実話。身体障害と知的障害があるもも子は、常に酸素ボンベで呼吸をしながら養護学校に通っている。物語は、兄の力が通う小学校に「行きたい」ともも子が駄々をこね、力を困らせる場面から始まった。力の学級担任の計らいで、もも子は交流授業として力の小学校へ定期的に来ることになるが、力は同級生にもも子をからかわれ騒動を起こす。
福永さんは、重い病気を抱えていても天真爛漫なもも子や、彼女を大切に思いながらも両親に甘えられず我慢を重ねる力、彼らの両親や周囲にいる級友など、子どもから大人まで全身を使って何役も演じた。児童たちは真剣な表情で1時間以上にわたる演技に集中していた。
終盤で、もも子が10歳の誕生日を迎える前に息を引き取る場面があり、福永さんは「冗談でも人に『死ね』って言ってはいけない。心の傷は見えないから、想像しなければ分からない。人を幸せにするために、学校へ来ていることを忘れないで」と児童たちに伝えた。6年生の男子児童は「命のありがたみと、友だちの大切さが分かった」と話した。
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