港南区・栄区版 掲載号:2017年5月11日号

日本野鳥の会

「守るノウハウ活用を」 社会

自然観察の森30周年で冊子

「市民の手によって守られてきた森があることを知ってほしい」と訴える尾崎さん(右)
「市民の手によって守られてきた森があることを知ってほしい」と訴える尾崎さん(右)

 栄区上郷町の「横浜自然観察の森」が開園30周年を迎え、森の保全や施設を運営する日本野鳥の会がこのほど、ブックレット「都市の森の自然保護 横浜自然観察の森の三十年」を発行した。都市の自然を守るノウハウを広めようと、行政職員や市民ボランティアの熱意や取り組みの歴史をまとめた。

 横浜自然観察の森は神奈川県と環境庁(当時)の助成によって1986年に設置された横浜市の森。面積は45・3ヘクタール。多摩・三浦丘陵群の円海山周辺緑地に囲まれ、良好な自然環境の中、様々な植物や動物が生息している。林から水辺、草地の自然環境があり、カワセミやオオルリ、ノウサギなども見られる。

 森の中には自然観察センターが設置され、横浜市から委託された公益財団法人日本野鳥の会のレンジャーが常駐。市民ボランティア組織「横浜自然観察の森友の会」のメンバーらが環境保全活動に取り組んでいる。

 ブックレットは4章で構成され、森づくりの活動と生態系などの自然環境の変遷を掲載しながら、都市の森ならではの取り組みを紹介している。

 第1章では、センターの役割や環境教育、環境調査、環境管理の3つの活動を取り上げ、行政や市民、レンジャーによって守られてきた森を解説している。第2章では調査による動植物の変遷を紹介。森の成長過程で草地の植物が減少し、つる植物が増加している実態を指摘している。外来種や温暖化の影響にも触れ、調査の重要性を説いている。

 また3章と4章では人の活動に着目。雑木林の管理や畑づくり、バードウォッチングといった友の会のプロジェクトを取り上げ、人材の育成が森を守る多様な活動につながっている様子を紹介している。

 編集を手がけたレンジャーのひとり、尾崎理恵さん「横浜市民が自分たちの手で守った森があることを多くの人に知ってほしい。子どもたちが自然を体験する場としての意義も大きい」と話している。

 ブックレットはB6判で全120ページ。価格は500円。入手は500円切手とB6判の冊子が入る返信用封筒に住所・氏名を明記し、250円切手を貼りつけた上、〒141―0031東京都品川区西五反田3の9の23丸和ビル (公財)日本野鳥の会施設運営支援室ブックレット係へ。
 

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