神奈川県は先月14日、殺傷事件があった相模原市緑区の県立障害者施設「津久井やまゆり園」の再生基本構想を発表した。園のあった同区・千木良と、仮入居先となった港南区の芹が谷の2カ所に分散して整備することが決定した。
2カ所には定員11人の居住棟12棟を整備して120人分、加えて県内にある既存の障害者支援施設を活用して10人分の居室数を確保し、全利用者130人が安心して暮らせるようにする。また、短期入所12人分の受け皿を、2カ所に整備することも決まった。
各々の施設規模は「意思決定支援チーム」が約2年かけて、利用者の意向をまとめた上で決定。4年後の2021年度中には全ての利用者の入所完了を目指すという。
地域での生活実現に向け支援
今回の構想の軸となる「施設の小規模・分散化」。県は構想の中で現在の障害福祉施策として、入所施設が小規模化している傾向があるとする。
その理由として障害の有無や程度に関わらず、障害者と健常者が社会生活を共にする”ノーマライゼーション”の考えがあることを挙げ、より身近な地域で生活をするための支援や、施設の小規模化で風通しを良くする必要性を強調している。
今回の構想を受け、移転先の芹が谷連合自治会の藤田誠治会長は「前施設の『ひばりが丘学園』の頃からボランティアメンバーの住民も多かった。私たちもより勉強して、障害のある人々と交流していきたい」と話す。家族会の大月和真会長は「地域に受け入れてもらえるのは一番の幸せだと思う。構想は願っていた形とは異なるが、すばらしい内容。実現するのを見守りたい」と話していた。
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