難病の子どもを持つ家族らが滞在する南区六ツ川4丁目の宿泊施設「リラのいえ」で昨年から進められていた増築工事がこのほど終了し、4月2日に記念式典が行われた。利用者増に対応したもので、個室3室と保育室(多目的室)を新設。受け入れ人数を増やし、病と闘う小児患者と家族の支援拡充を図る。
「リラのいえ」は近隣の県立こども医療センターに子どもが通う家族のための滞在施設。同所を運営する認定NPO法人「スマイルオブキッズ」は、脳腫瘍で6歳の次女を亡くした田川尚登さんが病に苦しむ子どもや家族を支援しようと設立。通院する子どもに付き添う保護者らに宿泊などで利用してもらおうと、2008年に同所を開設した。
4部屋新設
増築は利用者増加に伴うもの。これまで8つだった個室が3室増え、保育室としての利用などを想定した多目的室も新設された。
総面積は約82・4平方メートル。約3400万円の増築費は、国と市から交付された助成金と同所を支援する企業・団体らの寄付が支えになった。
年間5千人利用も
田川さんによると、開設当初の稼働率は約6割だったが、2013年に同センターが国から県内初の「小児がん拠点病院」に指定されて以降、利用者が増加したという。近年は稼働率8割以上の状況が続き、年間約4500人が利用している。満室の状況が続き、キャンセル待ちのケースも多くなった。
県外や国外など、遠方の通院者を優先して受け入れたこともあり、同センターから比較的近い県内在住者の利用を断らざるを得ないケースもあった。増築により、これまでより年間500人〜600人の受け入れ増を見込んでいる。
2日に行われた増築記念式典には、同所スタッフや同センターの山下純正総長など関係者約80人が出席した。同所を利用する家族がテープカットを行うなどし、開業9年を迎えた施設の新たな船出を祝った。
田川さんは「小児医療に関わる家族の精神的な不安を軽減できる施設として、今後も支援ができたら」と話した。
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