横浜市は6日、「いじめ防止基本方針」を改定した。東京電力福島第1原発事故で横浜市に自主避難した男子生徒へのいじめ問題を受け、いじめの定義に「受けた側に立った判断」を明示。学校や市教育委員会の具体的な対応策を明文化した。
自主避難生徒へのいじめ問題では、市教委や学校が適切な対応を取らず、重大事態との認識に立った調査が1年7カ月後となり基本方針が機能しなかった。
今回の改定は、再発防止検討委員会の報告書、国の基本方針の改定、市民意見を踏まえ行われた。市教委は、自主避難生徒への対応が遅れた要因に「被害者心情に充分に配慮できず、いじめに気づけなかった」との反省から、いじめの定義に「受けた児童生徒が心身の苦痛を感じているもの」と追加。「金品をたかられた」などの事例も盛り込み、判断を表面的、形式的にせず「受けた子どもの立場に立つことが必要」と示した。
学校の対応策では各校に「いじめ防止対策委員会」を常設。月1回の開催を義務付け、組織的に情報共有しながら児童生徒の変化に気づける体制を構築する。
一方、市教委の対応策は専門家の活用。家庭環境などの福祉的な要因が絡んでいるケースもあり、スクールソーシャルワーカーなどの意見も取り入れ連携を強化させる。区役所や「学校生活あんしんダイヤル」などの相談窓口の周知を図る。
重大ないじめが疑われる場合は、緊急対応チームを配置。早期に職員を学校に派遣し、学校だけでは解決が困難な事案には弁護士のアドバイスが受けられる体制を整え、教育委員会事務局全体で対応するとした。
自主避難生徒のいじめ問題では調査開始が遅れたことから「重大事態」が疑われた段階でその判断を組織的に行うこととした。
岡田優子教育長は「教育委員会事務局、学校現場でしっかりと共有し、一丸となっていじめ防止に取り組む」とコメントした。
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