車の運転に不安を感じている高齢運転者やその家族に、運転免許試験場や各警察署にある相談窓口を活用してもらおうと、神奈川県警では「高齢ドライバー運転適性相談周知強化旬間」を新たに設定し、11月1日から10日に行った。港南区では高齢者による運転で小学生が死傷した昨年10月の事故以降、免許返納件数がそれまでの約1・5倍に増加している。
港南警察署の担当者は「昨年10月の事故をきっかけに、免許証を返納したいという相談が増加しているように感じる」という。同署での返納件数は、昨年10月は60件だったのに対し、今年1月は97件。「他地域に比べ、一歩先に返納が増えている」と担当者は話す。
また、今年3月に改正された道路交通法で高齢者対策が強化されたことも相談を促すきっかけになっている。改正により、75歳以上の運転者は免許更新時の認知機能検査で、結果に基づいて講習内容が2パターンに分かれることになった。
認知症や認知機能低下のおそれが認められた場合は、講習時間や費用の負担が増えるだけでなく、医師の診断により認知症と判明した場合は、免許取り消しなどの行政処分となる。
また更新時以外でも、認知機能検査が臨時的に求められることに。信号無視や一時不停止など政令で定めた18種の違反行為があった場合で、検査結果が更新時よりも悪くなっている場合は、臨時高齢者講習の受講が必要となった。
同署の担当者は「講習によっては費用が高額になる上、検査料も重なると負担が大きい。普段から運転しない人は、これを機に『返納したい』と相談するケースも増えた」と話す。
一方で、家族が不安を感じ返納を希望するものの、本人は希望しないケースもある。港南署では、維持費のメリットデメリットや、場合により行政処分になる可能性なども説明。担当者は「免許証を身分証明書代わりや、現役の証として大切にしている人もいる。返納後は免許証と似た体裁で身分証明書にもなる運転経歴証明書を発行している。気軽に相談してほしい」と呼びかけている。
|
|
<PR>
港南区・栄区版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|