「山手の緑を次世代へ」 居住者らが「委員会」を結成
旧外国人居留地として西洋館や緑地が今も多く残る山手地区で緑の保存・育成にむけた居住者らによる委員会が昨年発足。今月14日には体系的な樹木管理を行っているフェリス女学院の協力で公開講座も実施された。
発足したのは平成14年から運営されている同地区のまちづくり組織「山手まちづくり推進会議」の「みどりの活動委員会」。昨年5月から毎月1回の例会と緑の実態把握のための調査を適宜行い、今ある緑の保存と新たな育成を柱に課題の取りまとめを行っている。
活動委員会のメンバーで活動通信「山手のみどり」の編集にも携わる岡田實さんは「山手地区の緑被率は約40%を超え、中区全体(15%)でみても緑のオアシスと言えるが、一方で宅地開発や土地造成工事によって樹木が伐採され、緑は減少傾向にある」と指摘する。同地区が市の緑アップ計画にある「地域緑のまちづくり」モデル地区にも指定されていることから、活動委員会では今後地域ぐるみでの緑の保存・育成活動を進めていく方針だ。
活動委員会では1月14日、フェリス女学院の協力を得て、同校山手キャンパスを会場に公開講座を実施した。当日は付近に住む住民ら40人が参加。樹木医による樹木剪定の基礎知識のほか、同校が2009年度から実施している体系的な植栽管理の理念や手法を学んだ。敷地内にはヒマラヤスギ・タブノキなど歴史ある古木があり、同校ではそのほか約1000本の樹木に番号をつけて計画的に管理しているという。学院本部の岸本正治さんは「2008年度までは近隣住民からの要請の都度業者に発注していたが、長中期的な視点による植栽管理を施行することが美しい山手の景観を守り、ひいては学院を守ることにつながる」と説明。参加者も熱心に耳を傾け、管理方法など家庭での樹木管理についての質問も相次いだ。
活動委員会では今後、居住者が所有する樹木の中から山手の景観にふさわしい景観木や名木・古木の登録、民有地内の緑地や景観木の維持管理負担の軽減など具体的な活動を検討している。前出の岡田さんは「まずは居住者の意識共有と理解が不可欠。行政とも協力して、今後も緑豊かな山手の維持をめざし、活動をさらに深めていきたい」と話している。
フェリス女学院が協力し公開講座
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