震災の影響で断水した福島県いわき市から、人工透析の治療を求めて西区の腎臓内科の病院にも患者が避難してきている。
「もう3日間も透析を受けていなかった。本当に感謝です」。そう語るのは17日から同院で透析治療を受ける新妻由子さん(67歳)。いわき市在住で以前は現地の病院で透析を受けていた新妻さん。透析治療は大量の水を必要とし、断水になった病院では治療ができず、「このままでは生きられない」と腎友会の仲間と避難を決意。「原発事故の不安もあり現地はパニック。ガソリン入手も困難で本当に必死でした」と道中を振り返る。
同院には福島県や茨城県からこれまで50人以上の患者が訪れている。宿泊施設のない同院は、市に掛け合って特別に許可を貰い、簡易ベッドを用意。着の身着のままで来た患者たちには、毛布なども手配している。
同院では「うちの患者さんたちには迷惑をかけることもあると思うが、みんなが治療を受けられるよう全力をつくしていきたい」と話している。
市が避難場所を提供
被災者受け入れのため、横浜市は17日、市の施設2ヵ所を一時避難場所として提供することを決めた。
今回受け入れ場所となったのは、磯子区にある「たきがしら会館」と横浜市が所有する群馬県利根郡にある「赤城林間学園」。いずれの施設も最大300人程度の受け入れが可能。介護などの必要がなく、自立した生活が可能な被害者が対象で事前に被ばく線量の測定などの健康検査を行う。
たきがしら会館では、準備の整った19日午後から入居が開始され、約20人の被災者が会館を訪れた。いわき市から妻や娘など家族4人で来たという30代の男性は「放射能が心配で窓を目張りし、外気を遮断するため暖房も使えなかった。目に見えないからこそ現地の人たちが感じる圧迫感はすごい。横浜にたどり着けてほっとした」と、少し疲れた表情で話した。
市ではこのほか市営住宅50戸と住宅供給公社の賃貸住宅37戸を無償提供する。
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