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中区・西区版 公開:2012年10月18日 エリアトップへ

工業技術開発大賞 片野工業に「環境技術賞」 小型消臭機を開発

社会

公開:2012年10月18日

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受賞した高性能消臭機を手にする片野社長
受賞した高性能消臭機を手にする片野社長

 中区本牧三之谷の(株)片野工業(片野明夫社長)が9月27日、「第29回神奈川工業技術開発大賞」で地球環境技術賞を受賞した。これは神奈川県内の中堅、中小企業が開発した優れた技術や製品に贈られるもの。独自開発による小型の高性能消臭機の開発が評価された。

 今回受賞の対象となったのは同社が開発し、テルモより販売されている消臭機「エアーサクセス プロ」。イオン風を効率的に発生させる電極形状を独自に開発したことにより、他の消臭方式と比べて小型、低騒音、低消費電力等を実現した。1台で約20畳をカバーし、メンテナンスも電極プレートを月に1、2度洗うだけという手軽さもあって、既に全国の介護施設やペット飼育の場でその威力を発揮しているという。

きっかけはエビフライ

 同社は1990年に創業。従業員数は現在30人。本牧埠頭を拠点にコンテナ修理やコンテナをカラオケボックス、トランクルーム等に利用するなど、幅広く事業を展開する。

 片野社長が消臭機の開発に取り組むきっかけは8年程前にさかのぼる。仕事で静岡に赴いた際に、昼食で入った店で食べたエビフライの大きさに感動。「コンテナで養殖ができれば新たな事業になるかもしれない」と思い付き、ベトナムへの視察など、調査を重ねた。

 6年前にコンテナを改造し、エビの養殖を始めたものの、最初は苦労の連続だった。試行錯誤の中で、海老の成長を促すために水中の酸素濃度を高める「ナノバブル発生装置」を導入。その際に「水中に放たれる泡をイオン化すれば消臭・除菌になるのでは」とアイデアが浮かんだ。海老は雑菌に弱く、養殖場の臭いを改善したかった事もあり、消臭機の開発に踏み切った。

 海外から取り寄せたイオン発生機の分解、研究を行い、オリジナルの実験機を製作。イオンをより効率的に発生させる電極構造を独自に開発した。

 試作品を実際に試すとエビの水槽から臭いが消えた。「水の中以外でも利用できるのかもしれない」と、同製品を自宅のゴミ箱に設置するほか、ペットを飼っている知人に使用してもらい、その効果に確信を持つようになったという。

大手医療メーカーが高評価

 一昨年には商品化し、外部のメーカーへの売り込みみに奔走したが「なかなか製品の良さを理解してもらえなかった」と片野社長。しかしその後、大手医療機器メーカーのテルモに高く評価され、今年1月、同社のブランドで販売されることになった。

 来年の2月にはさらにコンパクトになり、太陽光で動く新型も発売予定。片野社長は「今回の受賞で製品の信用性が高まり、周知にも繋がったと思う。臭いや菌に困っているあらゆるシーンに活用を広げていきたい」と展望を語った。
 

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