中区の本牧小学校(田中昌彦校長)にこのほど、旧校の校旗が66年ぶりに戻ってきた。本牧1丁目在住の庄司喬さんが父親から託され保管していた。本牧小創立20周年の節目に校旗が戻ったことに田中校長は「すばらしいプレゼントを頂いたようだ」と喜んでいる。
旧本牧小学校は1873(明治6)年に天徳寺を借用して開校した本牧学校が発祥で、震災等で場所や校名が変遷した。1926(大正15)年には現在のベイタウン本牧5番街付近に鉄筋コンクリート3階建ての校舎を建設したが、終戦後の47年に進駐軍に接収されて廃校となった。現在の学校は92年に開校している。
旧校校旗を保管していたのは当時同校の後援会副会長で本牧地区連合会長だった庄司清夫さん。息子の庄司喬さん=写真右=は「どういういきさつで父が校旗を預かることになったのかは定かではないけれど、おそらく進駐軍に没収されることを恐れた学校関係者が父に託したのではないか」と話す。清夫さんが預かったのは校旗以外に、竿頭や漢文で書かれた教育勅語もあった。84年に亡くなったが、その遺志は喬さんに引き継がれた。
今回の引き渡しが実現したのは、たまたま田中校長と庄司さんが3月8日に行われた本牧中学校の卒業式に同席したのがきっかけ。庄司さんが田中校長に経緯を話し、とんとん拍子に話が進んで返却が実現した。
綺麗に保存されていた校旗。海に近い本牧小らしく、校章の周りには波の模様があしらわれている。
3月13日に校旗を手渡した庄司さんは「本当はもっと早くに返せればよかったのだが。でも、これでようやく父も安心しているのでは」と笑顔で語り、田中校長も「旧校の思い出は写真しかなかったので大変ありがたい。子どもたちにも話したいし、旧校卒業生などで興味のある方は気軽に訪ねて欲しい」と呼びかけている。
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