中区・西区版 掲載号:2014年1月1日号

風景に溶け込む木の音色

手回しオルガン奏者 紀あささん(平沼在住)

ブックといわれる楽譜を入れて、後方のハンドルをまわすと中のパイプに空気が入って音がなる仕組み。手回しオルガンを回しながら、フリーカメラマンとしての仕事も続けている
ブックといわれる楽譜を入れて、後方のハンドルをまわすと中のパイプに空気が入って音がなる仕組み。手回しオルガンを回しながら、フリーカメラマンとしての仕事も続けている
 ハンドルを回しひとたび曲が流れると、まるでおとぎの国の世界に入り込んだかのような錯覚に陥る。

 「木製の手回しオルガン」を奏でるようになってから約3年。昨年はこの手回しオルガンの縁で250人目の「函館観光大使」にも任命され、大道芸人として横浜市内各地と函館を行き来する忙しい毎日だ。

 愛知県出身。写真の専門学校に通うために上京。卒業後はしばらくフリーのカメラマンとして、風景を中心にとり続けてきた。大道芸をはじめたきっかけは、横浜の大道芸で出会ったパントマイムをする1人の女性。「街の風景に溶け込む」姿に自然と目が奪われた。「被写体のことをよく知った上で写真を撮りたい」というプロ意識からパントマイムや大道芸の基礎を学んだ。そんな取材の一環で始めた大道芸だったが、その後フィンランドの街角で手回しオルガンに出会ったときには「私がやるべき仕事だ」と直感で思ったという。最初は風景を撮るものとして、被写体としての魅力にひかれたのかもしれない。メルヘンな雰囲気が漂う手回しオルガンは、それだけ絵になる存在なのだ。

 持ち前の好奇心と行動力で全国を巡り、手回しオルガンについて調べるなか、函館で木の手回しオルガンの製作者に出会った。しかし、すぐには買えないほど高価な楽器。「大道芸の投げ銭だけで作ろう」と決意し、複数台所有する知人から貸してもらった手回しオルガンと路上に出て、1年かけて製作費を貯めた。

 そこからさらに1年、アーティストと共同制作した紙芝居もできるオリジナルの1台が完成したのが2012年夏。自身の分身であるかのように、オルガンに「KINO」と名付けた。木のオルガン、ドイツ語でシネマの意味を持ち、「町をひとときの映画のように木の音で包んでいきたい」という思いが込められている。

 温度や湿度、周りの建物などの環境、そして聴く人の心によって、音色は変化する。「木の奏でる何ともいえない暖かい音。もっと多くの人たちにこの音を届けられれば」。手回しオルガンが街の風景に溶け込んだとき、本当の音が聴こえてくるのかもしれない。

紙芝居や人形が動き、シャボン玉が飛び出すからくりに、子どもはもちろん、大人の目も釘づけに。イベントや幼稚園訪問など活動の幅も広げている。http://www.temawashi.org
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