NPO法人横浜シティガイド協会(平井靜子会長)の創立20周年を記念した講演会が、1月25日に中区内で行われた。
講師は、元横浜市企画調整局の専任主幹として街づくりに関わった鳴海正泰さん(82・関東学院大学名誉教授)。飛鳥田一雄市長とともに手がけた横浜改造の6大事業や、今後の都市のあり方などについて語った。
鳴海さんは、都市づくりの骨格となる総合戦略として取り組んだ6大事業(港北ニュータウン・地下鉄・都市部強化・金沢地先埋立・高速道路・ベイブリッジ)は、現在の市の姿を形づくっていると説明した。
飛鳥田市長時代(1963年〜78年)は、まさに高度経済成長の真っ只中。年10万人を超す人口増にともない、インフラ整備などが急務だった。その社会状況においても、行政主導による都市整備ではなく、市民のまちづくり意識の高揚を源泉に、故浅田考さんを筆頭とした都市デザインなどを手がける建築家らの専門家チームを組織。6大事業を構想、実現してきたという。
課題は地域の再生
ハード整備の6大事業だけではなく、都市の質を高める「自治と文化の推進」にも力を入れたと鳴海さんは解説する。
無秩序な開発を抑制する「宅地開発要綱」や「原子力船の横浜母港化拒否」など、時には国とぶつかりながらも、自ら考え市民に必要な事業には取り組むという飛鳥田市政は、「権限なき行政」とも言われた。
6大事業構想着手から50年が経った現在を、鳴海さんは「峠に立った」と表現。「これまでの道のりを振り返ることができ、先を見通すこともできる」と話した。
今後の街づくりについては、50年前のような大事業の取り組みは難しいとし、「これからは市民活動の時代。地域のコミュニティーの再構築が求められる」と指摘、市民による地道な都市づくりの必要性を訴えた。
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