商店街のアーチをリニューアルした横浜駅西口五番街の理事長を務める 七尾 弥三郎さん 神奈川区在住 72歳
苦労支えた善意に恩返し
○…アーチ完成までの苦労を、先日ソチ五輪で銀メダルを手にした葛西紀明選手を引き合いに「いくつもの壁を乗り越えてきた部分が重なってね。もらい泣きしちゃったよ」と微笑む。折衝や資金繰りなど、煩雑な手続きを乗り越えられたのは「行政の協力が大きかった。そして、何より商店街や街の関係者の『盛り上げたい』という熱意が原動力だった」と振り返る。
○…五番街で1974年から「松弥フルーツ」を営み、一昨年6月から横浜駅西口五番街商店会協同組合の6代目理事長を務める。レトロな雰囲気を残す街として愛されてきた五番街に新たな客層を呼び込もうと仲間と検討を重ね、「スポーツを通じた街の活性化」を掲げて地元のサッカーJ2・横浜FCを応援、若年層やファミリー層にも愛される街を目指す。「将来的な西口再開発も視野に、横浜の玄関口として、先人たちが築いてきた街の更なる発展につなげられるよう微力ながら尽力したい」
○…東京の神田生まれ。父は神田青果市場でリンゴ問屋を営んでいたが18歳の時に他界。大学進学の道を諦め、母と兄弟3人を養うために父の知人らを頼って果物屋を西区伊勢町に開いた。懸命に働いて弟たちを高校卒業させ、力を合わせて店を切り盛りするなかで店舗も増えていった。「自分一人の力ではない。困った時に手を差し伸べてくれる人がいてくれたおかげ」。6畳一間の5人暮らしを助けてくれた家主、新店舗開店の融資に尽力してくれた銀行員など、涙ながらに感謝を述べる。「だから、今度は自分が恩返しする番。若くても熱意ある人を応援したい」。商店会理事長のほか、自宅のある神奈川区では町内会長や民生委員などを長年務める。
○…妻と2人暮らし。階下に暮らす娘夫婦の孫の話になると好々爺の一面を見せる。「自分が必要とされる間はできるだけのことをしたい」。善意のバトンタッチが続いていく。
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