3月25日に1周年を迎えた3障害一体サービス提供施設「みはらしポンテ」の代表を務める 室津 滋樹さん 本牧満坂在住 62歳
「障害の垣根無くしたい」
○…「利用者は最初に比べ3倍以上。知らないもの同士だったスタッフもだんだん分かり合い、軌道に乗ってきたと思う」とほっとした表情をみせる。2005年に「みはらしポンテ」建設のための計画を立ち上げた中心メンバーだ。「今後は周辺のケアプラザや病院とも連携を深め、医療・介護・障害の垣根を無くしてより生活しやすい環境を整えたい」と先を見据える。
〇…行政や地域の障害者支援団体とのやり取りなど多忙にも関わらず、「スタッフや利用者、地域の方々とのつながりを大切にしたい」と、だれでも参加できる祭りや発表会を定期的に開催。「地域の方には施設で盆踊りを教えて頂いたり、本当にありがたいです」と顔をほころばせる。
〇…東京都出身。歴史好きで大学では史学を専攻したが、「2年生の頃に、ある市が車イスのバス乗車を拒否していると知って、信じられなかった」と、その出来事をきっかけに福祉の道へ進むことを決意。障害者支援施設で住み込みのボランティアを始めた。現実は厳しく、「一歩も家から出られず、親子で心中してしまう」ケースも目の当たりにしたという。反面、「役に立てたときはなにより嬉しい」とやりがいにも気付いた。その後は「みんなで外に出かけられるようになりたい」という一心で、30代のころに日本初のグループホームを本牧に開所し、自宅もその2階へ。18年前には障害者の家族団体や作業所など50以上のグループによる区障害者団体連絡会が誕生。代表としてイベント開催や環境整備に努めた。「障害者、スタッフ、住民、全員が協力し合って実現できた」と振り返る。
〇…現在も自宅にはグループホームを併設。妻もその職員で、子ども2人も福祉関係の仕事に就く。休みはほとんど無く、まだまだみはらしポンテの運営が第一。輪を広げようと周囲とつながっていく姿は、ポルトガル語で「架け橋」を意味するポンテそのものだ。
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